Wi-Fiの速度の目安と、速度に影響を与える主な原因
ネットを楽しむためには、利用目的ごとに一定の通信速度が必要です。快適なWiFi速度の目安は以下になるので覚えておきましょう。
速度 | 状態 | 利用目的 |
---|---|---|
100Mbps | すべての操作を快適にできる | オンラインゲーム、動画視聴、Webサイトの閲覧、メール |
30Mbps | 快適に画像や動画の視聴ができる | 動画視聴、Webサイトの閲覧、メール |
10Mbps | 画像や動画の視聴が問題なくできる | Webサイトの閲覧、メール |
1Mbps | テキストの入力が問題なくできる | メール |
また、WiFiの速度は、主に「下りの速度」「上りの速度」「Ping値」の3つの要素で成り立ちます。
- 下りの速度:ルーターから端末にデータを送る速度(ダウンロード)
- 上りの速度:端末からルーターにデータを送る速度(アップロード)
- Ping値:通信を行う際、ホスト(サーバー)との遅延時間をあらわす数値(応答速度)
WiFiは電波を飛ばしてネットに接続するため、速度は電波干渉やルーターとの距離、回線の混雑などさまざまな影響を受けます。WiFiの速度が上がらない場合は、何かしらの原因があるため、把握しておくことが大切です。
WiFiの速度が上がらない主な原因には以下が挙げられます。
- WiFiルーター本体に不具合が生じている
- WiFiルーターの置き場所が悪い
- 同時接続台数を超えている
- 電波干渉が生じている
- プロバイダや回線の問題
Wi-Fiの速度を上げる7つの方法
WiFiの速度はさまざまな影響を受けますが、速度が遅い場合、原因によっては自分でも改善できる可能性があります。
以下でWiFiの速度を上げるための主な方法を7つ紹介するので、参考にしてください。
Wi-Fiルーターを再起動する
WiFiの速度を上げる方法として、まずはWiFiルーターの再起動を試してみるのがおススメです。
WiFiルーターは電化製品のため、長期間利用していると不具合を生じることがあります。WiFiの速度が遅い場合は、ルーターの不具合が原因で、電波の送信と受信が上手くできていない可能性が考えられます。
WiFiルーターは、再起動すれば動作が正常に戻るケースが多いため、速度が改善される可能性があるでしょう。
Wi-Fiルーターの設置場所を変える
WiFiの電波は障害物によって遮断されることがあるため、ルーターの設置場所を変えることで電波の遮断を避けられ、速度が改善される可能性があります。
WiFiルーターの設置場所を変える時は、以下の点を踏まえて最適な場所に設置しましょう。
- 家の中心に設置する
- 床から少し離れた高い位置に設置する
- 電化製品や水槽、金属製の家具の近くは避ける
WiFiの電波は、球状に広がっているため、基本的には家の中心かつ、床から少し離れた高い場所に設置するのが理想です。床とルーターの距離は、1m~2mが目安になります。
また、WiFiの電波で使われている周波数帯は、電子レンジなどの電化製品でも使われているため、電波干渉を受けることがあります。
加えて、WiFiに限らず、電波は水に吸収されやすかったり、金属に反射したりする特性もあるため、WiFiルーターは電化製品や水場、金属製の家具などがない場所に設置するのがおススメです。
接続する周波数帯を切り替える
前述しているように、WiFiの電波はほかの電化製品から発せられる電波の影響を受けることがあります。
WiFiには、主に2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯があり、WiFiルーターによっては切り替えが可能です。
もし、使用しているルーターが周波数帯の切り替えに対応していれば、周波数帯を切り替えることで速度が改善される可能性があります。
2.4GHz帯
電波の届く距離は広いが、ほかの電化製品でも使われている
5GHz帯
電波の届く範囲は短いが、主にWiFiで使われている
例えば、WiFiルーターと端末の距離が遠い場合は2.4GHz帯、電波干渉が疑われる場合は5GHz帯のように、使い分けすると良いでしょう。
Wi-Fiルーターの接続台数を見直す
WiFiルーターには、同時に接続できる台数に制限があります。同時接続台数の上限を超えている場合は、速度が低下する可能性があるため、WiFiルーターと接続している台数を見直してみましょう。
もしも、慢性的に接続台数が超過するようなら、ホームルーターの利用を検討してみるのもおススメです。ホームルーターは同時接続台数が多く、複数台の機器でWiFiをつなぐ方に向いています。
IPv6・IPoEに変更する
IPv6とは、Internet Protocol Version 6の略称で、IPv4の後継となる次世代規格のインターネットプロトコル(IP)です。
IPv6にはIPoEとPPPoEの2つの方式があり、それぞれ以下のような特徴があります。
- PPPoEはネットワーク終端装置を経由するため、ネット利用者が多いと、回線が混雑する
- IPoEはネットワーク終端装置を経由しないため、ネット利用者が多くても回線の混雑を避けられる
WiFiの速度が遅い時は、大本になる回線の混雑が原因のケースもあります。IPoEを利用することで回線の混雑を避けられるため、結果的にWiFiの速度も上がる可能性が高いです。
なお、IPv6・IPoEに変更するためには、対応しているプロバイダとWiFiルーターが必要なため、まずは契約中のプロバイダに確認してみましょう。
Wi-FiルーターとつなぐLANケーブルを新しい規格に変える
WiFiルーターが最新であっても、ONU(モデム)とつなぐLANケーブルの規格が古い場合は、速度が低下してしまいます。
LANケーブルにはカテゴリがあり、最大通信速度が異なるため、最適なLANケーブルを選ぶことが大切です。
ケーブルの表記 | カテゴリ | 最大通信速度 |
---|---|---|
CAT.7A | カテゴリ7A | 10Gbps |
CAT.7 | カテゴリ7 | |
CAT.6A | カテゴリ6A | |
CAT.6 | カテゴリ6 | 1Gbps |
CAT.5e | カテゴリ5e | |
CAT.5 | カテゴリ5 | 100Mbps |
LANケーブルの最大通信速度が遅い場合、回線が速くても通信速度は遅くなってしまいます。例えば最大通信速度1Gbpsの光回線を使っていても、カテゴリ5のケーブルを使っていては十分な速度がでない可能性が高いです。
WiFiの速度が気になる場合は、一度LANケーブルを確認し、必要に応じて新しい規格のものに交換してみましょう。
Wi-Fi6対応のルーターに買い替える
ケーブルだけではなくWiFiにも規格があり、規格が新しいほど最大通信速度は速くなります。
規格 | 最大通信速度 | 周波数帯 |
---|---|---|
IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6) | 9.6Gbps | 2.4GHz帯/5GHz帯 |
IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5) | 6.9Gbps | 5GHz帯 |
IEEE 802.11n(Wi-Fi 4) | 600Mbps | 2.4GHz帯/5GHz帯 |
上記を見てもわかるように、最新規格のWi-Fi 6とWi-Fi 4では、最大通信速度に約16倍の違いがあります。
通信速度はさまざまな影響を受けるため、単純に16倍の違いが生じるわけではありませんが、Wi-Fi 6に対応しているWiFiルーターに買い替えることで、速度は上がる可能性が高いでしょう。
たろっささん
ただし、インターネット回線の速度は都心部などを除き光回線だと1-2Gbps程度を理論値としたベストエフォート型での提供がほぼすべてです。
また、Wi-Fi 6に対応しているルーターを用意しても接続機器がWi-Fi 6に対応していない場合はまったく意味を為さないため、環境内のすべての機器でWi-Fi 6に対応している必要があるという点は押さえておきましょう。
とくに一戸建てでルーターが屋根裏などの普段手の届かない場所にある環境では注意が必要です。