ポケット型WiFiとは、スマホ、ノートパソコンや携帯ゲーム機などを無線でネットにつなげる手段のひとつです。
なんとなく知ってはいるものの、「モバイルルーター」や「モバイルWiFi」など似たようなワードがあり、わかりづらいと感じている方もいるでしょう。また、ポケット型WiFiの仕組みが気になる方もいるかもしれません。
この記事では、ポケット型WiFiの仕組みやメリット・デメリット、利用するための準備や活用方法を詳しくご紹介します。
また、ITライターの伊藤さんにポイントも伺ったので、ぜひ参考にしてください。
この記事を監修した方:
ITライター 伊藤浩一
月間30万PVを超えるブログを運営。発信力が強みのITライター。ブログ「伊藤浩一のモバイルライフ応援団」主宰。
モバイルユーザーとしてレビューを毎日掲載しながら、日本のスマートフォンシーンの盛り上げを行い、アクセス数は月間30万を超えるブログとなっている。WEBニュースへの寄稿、モバイル関連書籍の執筆など多方面で活動している。
ポケット型WiFiとは、持ち運び可能な小型のモバイルルーターのことをさします。ルーターは、異なるネットワーク間を中継・接続する役割を持つ機器です。ポケット型WiFiがあれば、自宅や外出先でもWiFi対応のスマホやノートパソコンを無線でネットに接続することが可能です。
なお、「ポケットWiFi」と呼ばれるケースもありますが、「Pocket WiFi」はワイモバイルを運営するソフトバンクグループの登録商標であるため、混同しないようにしましょう。
現在は、各通信会社が提供するモバイルルーターをまとめて「ポケット型WiFi」と呼ぶ傾向があります。
WiFiを利用すると、スマホやノートパソコンなどのデバイスを、有線LANケーブルを使わずにネットやローカルネットワークに接続することが可能です。
まずは、WiFiの仕組みを詳しく紹介します。
WiFi(正式にはWi-Fi)とは、共用周波数を使用して無線通信を行うための統一規格をさします。
以前は、無線LANに統一された規格がなく、各メーカーが独自の規格を使用していました。その結果、異なるメーカーのデバイス同士では相互通信ができないという課題がありました。
しかし、WiFiが登場してからはWiFi認証を受けたデバイスは、メーカーの枠を超えて互いに通信できるようになりました。
今では一般家庭やオフィス、公共機関で広く利用されており、近年のスマホ、タブレット、ノートパソコン、携帯ゲーム機など多くのデバイスは、WiFi対応のものが標準化されています。
WiFiは、国際的な標準規格であるIEEE 802.11に基づいており、通信は主に「2.4GHz帯」「5GHz帯」「6GHz帯」の3つの周波数帯を使用して行われます。
【歴代のWi-Fi規格※1】
世代 | 新名称 | 規格名 | 最大通信速度 | 周波数帯 |
---|---|---|---|---|
第7世代 | Wi-Fi 7 | IEEE 802.11be | 46Gbps | 2.4GHz/5GHz/65GHz |
第6世代 | Wi-Fi 6E | IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz/65GHz |
Wi-Fi 6 | 2.4GHz/5GHz | |||
第5世代 | Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz |
第4世代 | Wi-Fi 4 | IEEE 802.11n | 600Mbps | 2.4GHz/5GHz |
第3世代 | - | IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz |
第2世代 | - | IEEE 802.11a | 54Mbps | 5GHz |
IEEE 802.11b | 11Mbps | 2.4GHz | ||
第1世代 | - | IEEE 802.11 | 2Mbps | 2.4GHz |
世代が新しくなるごとに最大通信速度が向上し、快適な通信が可能になります。
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WiFiの種類やメリット、注意点について下記記事で詳しく解説しています。
ポケット型WiFiの通信の仕組みは、スマホと似ています。
スマホが4G(LTE)や5Gなどを介して基地局に接続し、ネットにアクセスするように、ポケット型WiFiも移動通信システムを用いて通信を行います。そのため、ポケット型WiFiを使用する際は、契約している回線の基地局が近くにあることが条件です。
ただし、スマホは直接ネットを閲覧したり動画を視聴したりするのに対して、ポケット型WiFiはほかのデバイス(スマホやノートパソコンなど)をネットに接続する中継装置として機能します。
移動通信システムを利用して基地局に接続したあと、WiFi接続を介してデバイスとネットワークを構築します。
ポケット型WiFiを介したネットの通信速度は、「利用する通信会社の回線」と「ポケット型WiFiとデバイスが対応するWiFi規格」に依存します。
利用する通信会社の回線で5Gを利用できるエリアでは、高速で大容量のデータ通信が可能です。
ただし、実際の通信速度はWiFi規格によって制限されることもあります。使用するWiFiの規格はポケット型WiFiの機種によって異なり、通信速度や周波数帯も異なるため、契約する前によく確認しましょう。
ポケット型WiFiは回線とルーターが一体化したサービスであり、回線速度とWiFi規格の上限速度に大きな差が生じることは少ないですが、その仕組みを理解しておくことが大切です。
ポケット型WiFiは、携帯キャリアショップや家電量販店で販売されており、中古でも入手可能です。ただし、実際にネットを利用するためには、有効なSIMカードが必要です。
そのため、NTTdocomoやSoftBank、UQコミュニケーションズ(WiMAX)などの通信会社か、通信会社から回線をレンタルしているMVNO事業者との契約を行います。
契約後に通信会社から支給されるSIMカードを挿入すると、契約した通信会社の回線を利用できるようになります。
伊藤さん
ポケット型WiFiを端末単独で購入して、SIMカードを別途利用する場合、端末の対応バンドとSIMカードを提供している会社の対応バンドが合致している必要があります。ポケット型WiFiの通信感度に影響がありますので、事前に確認しましょう。
安心して利用するためには、ポケット型WiFiとSIMカードをセットで通信会社から購入すると良いでしょう。特に最新のポケット型WiFiは、高速な通信速度に対応していますのでおすすめです。
ポケット型WiFiには、光回線などの固定回線や、据え置き型のホームルーターにはないメリットがあります。特に押さえておきたいメリットは、次の3つです。
ポケット型WiFiの一番のメリットは、持ち運びができる点です。その名前のとおり、ポケットに入れて携帯できるほど、小型かつ軽量に設計されています。
例えば、UQ WiMAXのポケット型WiFi「Speed Wi-Fi 5G X12」のサイズは、約W136×H68×D14.8mmです。重量は約174gで、スマホと同じくらいの重さです。カバンに入れて持ち運ぶ場合は、ほとんど存在は気にならないでしょう。
ポケット型WiFiを契約すると、自宅でも外出先でも電波が届く範囲ではインターネット通信が可能です。山岳地帯や基地局が整備されていない離島などの圏外になる場所を除き、多くの場所でWiFiを利用可能です。
バッテリー駆動式のため充電さえすれば、コンセントがない環境でも利用できて便利です。
自宅や事務所などに物理的なケーブルを敷設する光回線やケーブルテレビ回線とは異なり、ポケット型WiFiは設置工事が一切不要です。賃貸物件で大家さんや管理会社から設置工事の許可が下りない方や、転居する予定がある方も導入しやすいでしょう。
また、固定回線の設置工事には予約が必要な場合も多く、引っ越しシーズンの繁忙期は2~3ヵ月先になってしまうケースもあります。
その点ポケット型WiFiは、契約後にSIMカードを挿入するだけでよく、最短即日で利用が可能です。オンラインで契約する場合も、SIMカードが届くまでの数日を待つだけでよく、スムーズに利用を開始できます。
ポケット型WiFiは、固定回線である光回線と比較すると、月額料金が安い傾向にあります。毎月の固定費であるインターネット料金を抑えたい時は、ポケット型WiFiを選ぶとより経済的になるケースが多いでしょう。
ただし、料金プランや利用するオプションの内容によっては、光回線よりも費用が高くなる可能性もあります。そのため、自身のニーズに合ったプランを選ぶことが重要です。
一方、ポケット型WiFiのデメリットはどのようなものがあるか解説します。
ポケット型WiFiは、光回線とは異なり、月間のデータ通信容量に上限がある料金プランが存在します。スマホの料金プランと同じく、「月間○○GBまで」と記載があるケースがそれにあたります。契約した料金プランで定められた月間のデータ通信容量を超過すると、翌月にリセットされるまで通信速度が大幅に遅くなってしまいます。
ポケット型WiFiに接続しているデバイスで、YouTubeやNetflixなどの動画配信サービスやオンラインゲームをよく利用する方は、データ通信量の消費が早く通信制限にかかる可能性が高いでしょう。
使い方を変えずに通信制限を避けたい場合は、通信容量の上限がない料金プランを選択する方法もあります。
ポケット型WiFiは、基地局からの信号を無線で受信して通信します。電波の届く範囲では場所を問わず利用できる便利さがありますが、電波の強さに左右されて通信が安定しないこともあります。
特に、高画質での映画鑑賞やオンラインゲームでは、通信の安定性は重要です。遅延が発生すると、十分に楽しめない場合もあるでしょう。
通信の安定性が重要なコンテンツをメインで楽しむ場合は、物理的なケーブルでしっかりと通信経路を構築する光回線の方が適しているかもしれません。初期費用や利用開始までの時間はかかるものの、安定性や通信速度はポケット型WiFiよりも優れているため、おススメです。
ポケット型WiFiはバッテリー駆動式であり、バッテリーが切れると再び充電するまでWiFiを使えなくなってしまいます。充電状況を気にしなければならない点は、ほかのインターネット回線にはないデメリットだといえます。
外出先で利用する際はバッテリー残量に注意し、泊りがけの旅行などは、付属の充電器を忘れずに持っていきましょう。
ポケット型WiFiのバッテリー残量が表示されていない時は、設定から電池残量表示をオンにするか、本体の端末情報から確認できるか試してみて下さい。
ポケット型WiFiは、さまざまなシーンで活用できます。
たとえば、旅行や出張に行く場合、ホテルや出張先の仕事場のWiFi設備が不十分でも、ポケット型WiFiを使ってインターネット環境を構築可能です。
コンクリートや壁などがなく、電波が届きやすい環境では、駅構内や電車での移動中もWiFiを利用できるでしょう。
スマホで直接行う通信はデータ通信量が気になる方もいるかもしれません。しかし、通信容量の上限がないポケット型WiFiを通してWiFiに接続すると、スマホのデータ通信量を節約することが可能です。動画を見たり、地図アプリを利用したり、音楽を聴いたりと、時間を有効活用できます。
モバイルワークやリモートワークを行う場合も、ポケット型WiFiがあると便利です。カフェなどでノートパソコンをWiFiに接続して仕事をする方もいるでしょう。その時に、公衆無線LANよりもセキュリティが高いポケット型WiFiで通信ができると安心です。
伊藤さん
ポケット型WiFiのメリットは、モバイル回線を内蔵していないパソコンやタブレットを外出先で利用する際に便利な点です。
外出先で公衆WiFiなどを探す手間なく、すぐにネット回線を利用することができます。公衆WiFiがあっても、回線速度が不安定だったり、セキュリティ面で不安な場合がありますので、安心して作業するにはポケット型WiFiがおススメです。
カフェなどでリモートワークや勉強をする場合、ポケット型WiFiがあると安心して作業ができます。
UQ WiMAXの「Speed Wi-Fi 5G X12」は、最大接続数17台(WiFi:16台、USB:1台)と、ファミリーでも余裕をもって利用できるパワーを持っています。旅行や出張、リモートワークなど、家でも外でも使い方は自在です。
下り最大通信速度3.9Gbps※2、上り最大通信速度183Mbps※2と、快適に利用可能です。オンラインゲームや動画もサクサク楽しめるでしょう。
Speed Wi-Fi 5G X12
また、UQ WiMAXは固定回線のように面倒なプロバイダ契約手続きがなく工事も不要なため、手軽に利用を開始できます。
さらにUQ WiMAXが提供する「ギガ放題プラスS」※3プランでは、通常月額料金4,950円/月のところ、「WiMAX +5G割」(682円/月割引)の適用で、13カ月間4,268円/月でご利用いただけます。
ぜひこの機会に、UQ WiMAXのポケット型WiFiをチェックしてみて下さい。
伊藤さん
ポケット型WiFiは、5G高速通信に対応しているUQ WiMAXがおすすめです。
ポケット型WiFiを利用した場合の通信速度は、ポケット型WiFi自体の速度が速いと、快適に利用が可能です。動画やゲームなど、通信量の多いサービスを利用するユーザーは、UQ WiMAXが提供する「ギガ放題プラスS」※3を選択すると良いでしょう。
スマホ、タブレット、PCを同時に利用した場合でも、速度低下なく利用ができます。