Wi-Fiルーターの役割とは?
WiFiルーターには、主に2つの役割があります。
ひとつ目は、WiFi電波を発する親機として、ネット回線の一端を無線通信に置き換える機能です。
通常はLANケーブルでデバイスを接続しなければならないところを、無線通信では電波の届く範囲内であれば、別の部屋や別の階でも接続が可能になります。
これにより、LANケーブル接続では限られた数の端末しか接続できないといった不便な点を解消しやすくなります。
ふたつ目は、複数のデバイスでネットを利用するための、送信経路の割り当て機能です。WiFiルーターを設置しない場合には、ひとつのネット回線につきひとつのデバイスしかネットに接続できません。
そのため、WiFiルーターでは、デバイスそれぞれに割り当てられるIPアドレス(ネット上での住所に相当します)を用いて、IPパケットを正しい宛先に送り、送信経路を決定しています。
この機能がないとひとつのインターネット回線からひとつのIPアドレスしか割り当てられず、複数の端末を接続した際に認識できないために接続障害が起こります。
家庭でWi-Fiを利用するシチュエーションは大きく分けて2つ
ひとつ目は、光回線などの固定回線の回路にWiFiルーターを設置し、無線通信を行う方法です。
ネットワーク回路は、ONU(光回線終端装置)※1→WiFiルーター→スマホ・パソコンなどのデバイスの順です。
固定回線は、高速かつ安定性の高い通信を期待できますが、WiFiルーター単体ではネットを利用できず、別途元となる回線契約とプロバイダ契約が必要です。
ふたつ目は、モバイル回線を利用するホームルーターやモバイルWiFiルーターを契約して利用する方法です。
ネットワーク回路は、ONUを挟まず、ホームルーター/モバイルWiFiルーター→スマホ・パソコンなどのデバイスとなります。
この方法では、ホームルーターやモバイルWiFiルーターがモバイル回線の電波を拾ってネットに接続するため、機器自体が回線契約を担っています。
固定回線のように、別途回線契約やプロバイダ契約が必要なく、開通の工事も必要ないという点が大きなメリット。そのため、難しい設定や配線無しに契約後すぐに使い出せるのがポイントです。
- ※1 ONUとは、光信号をデジタル信号に相互変換するために必要な機器で、契約した光回線事業者から借り受けるものです。
Wi-Fiルーターには3つのモードがある
WiFiルーターには3つのモードがあり、手動で切り替えが可能です。
- ルーターモード(RTモード)
- 中継器モード
- ブリッジモード(APモード/BR)
ルーターモードとは、ご家庭でネットを利用する際に、複数のデバイス(スマホやタブレット、パソコン、IoT家電など)をつなげるモードです。
固定回線で、WiFiルーターの上位に設置するONUにルーター機能がない場合や、ルーター機能が無効になっている場合に利用します。
中継器モードは、WiFiルーターを無線子機に設定し、中継機として利用するモードです。主にWiFi電波が届く範囲を拡張したい場合に利用します。利用にあたっては、別途無線親機に設定するWiFiルーターが必要です。
たろっささん
上述通り、ルーターが無いと交通整理が行われないため、複数の端末をひとつのインターネット回線で接続しようとすると認識不良を起こし、接続障害が起こってしまうという点は注意しましょう。
また、設定や親機である無線WiFiルーターとの接続の敷居が他の接続より若干高いため、環境の構築にはある程度の知識が必要と言えるでしょう。