Wi-Fi Directとは
Wi-Fi Directとは、スマホやパソコン、プリンターなどの機器同士を直接接続するための通信機能です。
通常、機器同士を接続するには無線LANルーターが必要ですが、Wi-Fi Directを使うとルーターを介さずに直接通信ができます。
たとえば、スマホに保存されている写真をプリンターで印刷したい場合にWi-Fi Directを利用すれば、スマホとプリンターを無線で接続し、写真を直接転送できます。
Wi-FiやBluetoothとの違い
ネットが主流になってきた近年、WiFiやBluetoothなどの単語を目にする機会が増えてきました。
一方で違いをはっきりと理解できていない方もいるでしょう。Wi-Fi Directは、WiFiやBluetoothと異なる機能のため、違いを解説します。
Wi-Fi DirectとWi-Fiの違い
Wi-Fi DirectとWiFiの違いは次の2つです。
- 接続する際に無線LANルーターが必要かどうか
- ネットに接続できるかどうか
前述のとおりWi-Fi Directは、機器に搭載された機能を利用してデバイス同士を接続します。そのため、WiFiの電波を飛ばす機器の無線LANルーターは接続時には不要です。
一方でWiFiを利用するなら、基本的に無線LANルーターを経由して機器と接続する必要があります。
Wi-Fi Directはネットに接続できる機能がないため、インターネットを利用するのであれば通常のWiFi接続が必要という点は留意しておきましょう。
Wi-Fi DirectとBluetoothの違い
Wi-Fi Directは、片方のデバイスがWi-Fi Directに対応していれば接続できます。一方でBluetoothは、両方のデバイスが対応していないと使えません。
たろっささん
Wi-Fi DirectはWiFi規格の暗号方式が使用されているため、他の方式と比べてもセキュリティ性が高く、Bluetoothと違って一度に何台も接続を行うことができるというのもポイント。
さらにBluetoothよりも大容量のデータをやり取りできるので、スマホに保存している大量の写真や動画などを素早くPCに取り込むことが可能です。
Wi-Fi Directの4つのメリット
Wi-Fi Directのメリットは4つあります。それぞれ以下で解説します。
無線LANルーターがなくても利用できる
Wi-Fi Directは、無線LANルーターを必要としません。そのため、WiFiネットワークのない場所でもデバイス同士を自由に接続できます。接続方法も簡単で、接続したい機器にSSIDとパスワードを入力するだけです。
また、WiFiルーターが不要なことから、機器を購入する費用もかかりません。光回線などの固定回線がない場合でも端末同士でやり取りできるため、他に無線規格が必要ないのは利点と言えます。
Bluetoothよりも通信速度が速い傾向がある
BluetoothよりもWi-Fi Directの通信速度のほうが速い傾向にあります。また、Wi-Fi Directの通信帯域は優れており「2.4GHz」や「5GHz」のほかにも「60GHz」に対応しています。
通信帯域とは、一度にやりとりできるデータの量を表す単位です。数字が大きいほど、大量のデータをやり取りできます。
通信速度や通信帯域が優れていることもあり、コンビニに設置されているプリンターには、Wi-Fi Directが導入されているケースがあります。
パスワードが必要なためセキュリティが安心
Wi-Fi Direct接続時には、SSIDやパスワードなどの入力が必要です。不特定多数の方にアクセスされることはないため安心できます。
コンビニのマルチコピー機でも接続可能
Wi-Fi Directは、コンビニのマルチコピー機でも接続できます。スマホからファイルを送信することでプリントアウトが可能です。
写真のプリントであれば、Wi-Fi Directのほかに、QRコードでの接続も可能です。やりやすい方法で接続しましょう。
たろっささん
Bluetoothに比べて通信距離が広い場合が多いのもメリットです。
BluetoothであればClassにもよりますが通信距離は約10m程度なのに対し、Wi-Fi Directは約20m程度まで通信ができるため、屋外や講堂などの広い場所であっても安定した通信を行うことが可能です。
Wi-Fi Directのデメリットは「ネットを使えない」こと
Wi-Fi Directのデメリットはネットを使えないことです。Wi-Fi Direct自体に、ネットに接続できる技術はありません。
スマホのテザリング機能を使ってネット接続する方法もありますが、利用を避けたほうがよいケースもあります。
テザリング機能とは、スマホから電波を発信して、異なるデバイスからネット接続を可能にする技術です。テザリング機能はパケット容量を使うため、場合によっては速度制限がかかります。
いずれにせよ、ネットに接続するには、Wi-Fi Directを利用するのではなく、ネット環境を整える必要があります。
たろっささん
Wi-Fi Directを利用している間は双方向でその端末とのみ通信を行っているため、その間はインターネットへの接続はストップします。
ネットサーフィン程度であれば接続が出来ないだけで済みますが、ネットゲームや動画視聴などを行っている最中にWi-Fi Direct通信を行うとそれらが途中切断されてしまうため、場合によっては不利になってしまうことも。
Wi-Fi Directを行う際は別の作業が発生しない状態で行うことを推奨します。