Wi-Fiルーターの寿命は3種類。買い替えのタイミングは?
WiFiルーターは寿命があり長年使用していくうちに劣化するため、適度に交換するのが望ましいといえます。
通信が不安定になったり電源が入らなかったりなど不具合が頻繁に起きる場合はルーターを買い替えるタイミングといえるでしょう。
WiFiルーターの寿命は大きく分けて本体、通信規格、セキュリティの3つあるといわれています。それぞれの年数を確認しておくと、どの寿命か考えやすくなるかもしれません。
また製品ごとでの違いもあり、仕様によって寿命かを判断する場合があるため、各メーカーのホームページや取扱説明書なども参考にしながら、寿命の可能性を探っていきましょう。
Wi-Fiルーター本体の寿命:4〜5年
使用しているうちにWiFiルーターは物理的に劣化していきます。外部の汚れや破損はもちろん、熱やほこりの影響で内部も傷んでいくのです。
ハードウェアとしてのWiFiルーターの寿命は4〜5年程度といわれます。
しかし使用する環境によっては、痛んでより早く寿命を迎えてしまう可能性もあるでしょう。
通信規格の寿命:2〜6年
ハードだけでなく、ソフトウェアの「寿命」もあります。まずは「通信規格の寿命」と世俗的によばれているものに注意しましょう。
性能が良くて新しい通信規格が2〜6年程度おきに登場しています。
2024年2月時点で登場しているWiFi通信規格は下記のとおりです。
「Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)」が理論上は最速とされています。
WiFiルーターが新しい通信規格に対応していないと、古くて遅い規格で通信するしかありません。そのため「寿命」と世俗的にいわれ、注意が必要です。
通信規格一覧
- ※世代が後になるほど規格が新しくなり、最大通信速度が上がっています。
第1世代 | IEEE 802.11 | 最大通信速度2Mbps(2.4GHz帯) |
---|---|---|
第2世代 | IEEE 802.11a | 最大通信速度54Mbps(5GHz帯) |
IEEE 802.11b | 最大通信速度11Mbps(2.4GHz帯) | |
第3世代 | IEEE 802.11g | 最大通信速度54Mbps(2.4GHz帯) |
第4世代 | IEEE 802.11n(Wi-Fi 4) | 最大通信速度600Mbps(2.4GHz帯/5GHz帯) |
第5世代 | IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5) | 最大通信速度6.9Gbps(5GHz帯) |
第6世代 | IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6/Wi-Fi 6E) | 最大通信速度9.6Gbps(2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯) |
第7世代 | IEEE 802.11be(Wi-Fi 7) | 最大通信速度46Gbps(2.4GHz帯/5GHz帯/6GHz帯) |
セキュリティの寿命:2〜5年
セキュリティ面も日々進化しています。不正アクセスを防ぐために通信は暗号化されていますが、その暗号化方式も新しくなっています。
古い暗号化方式にしか対応していないと、解析ソフトを使って暗号が解析されてしまい、ネットトラブルのリスクが大きくなります。
暗号化方式は2~5年おきに更新されるため、同じWiFiルーターを長く使っている方は注意しましょう。
暗号化方式を下記にまとめたので、参考にしながらご自身のWiFiルーターがセキュリティ的に問題ないかを検討しましょう。
暗号化方式(規格)※1
- WEP:無線LANが出たての時に使われていた方式です。数分で解読されるようになったため、使用に適さないと2023年12月現在ではいわれています。
- TKIP:一定パケット量や一定時間ごとにキーを自動的に変更して暗号化を行う仕組みです。WEPよりさらに強固なセキュリティを実現します。
- AES:米国商務省標準技術局(NIST)が選定した次世代の暗号化方式です。TKIPよりさらに強固な暗号化が行えます。
- ※1参考「暗号化」(UQ WiMAX)
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WiFiルーターにはホームルーターとモバイルルーターといった種類があり、仕組みや特徴が異なります。状態を正確に把握するために、下記の記事で詳しく紹介しています。
Wi-Fiルーターの寿命と思われる症状と買い替えるべきタイミング
WiFiルーターが寿命を迎えると使い心地が悪化します。
具体的には下記のような症状が出る可能性があるでしょう。すでにお困りであれば寿命を疑ってもいいかもしれません。
Wi-Fiの接続が不安定・ネットにつながらない・通信速度の低下
まずは通信に関する症状です。WiFiの接続が不安定になって、ネットが途切れたり通信速度が遅くなったりすると寿命かもしれません。また、通信規格が古くなった可能性もあるでしょう。
なお、インターネット回線の利用が集中した時などに、サービスの安定供給のための速度制限が実施されることもあります。
速度制限はしばらく時間をおくことで解除され、通常の通信速度で通信可能になります。
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速度制限や解除方法については、下記の記事で詳しく解説しています。
Wi-Fiルーターの電源が入らない・充電ができない・バッテリーの持ちが悪い
電源やバッテリーに症状が出る可能性があります。
WiFiルーターの電源が切れる・入らなくなるのはもちろん、バッテリー式のモバイルルーターの場合は、充電ができない・バッテリーの持ちが悪くなるなどのトラブルもあるでしょう。
画面が暗い・固まったまま動かない・反応しない
モバイルルーターやホームルーターには、画面がついているものが増えてきました。画面がつかない・暗いまま・固まって動かないなどの症状は寿命のサインかもしれません。
また、タッチパネルやボタンが反応しない・反応が悪いのも寿命の可能性があるでしょう。