ガス代は毎月発生する費用です。ひと月だけなら少しの差であっても長い目で見ると大きな金額になります。
しかしいつも支払っている金額が高いのか・安いのかを判断できたり、平均がどれくらいなのかを把握していたりする方は少数派ではないでしょうか。
今回はガス代についての基本情報をまとめてみました。都市ガスとプロパンガスの違いやガス代の計算方法・節約方法などをチェックし、節約にチャレンジしてみましょう。
総務省統計局が発表しているデータ(2020年)によると、一人暮らしの平均的なガス代は3,021円/月※1です。
ただし以下のように比較すると季節ごとでの差異が確認できます。浴槽にお湯を溜めたり、暖房器具などをよく使ったりする冬場はガス代が高くなる傾向があるようです。
季節ごとの平均的なガス代
年間平均額(2022年)※1 | 3,331円 |
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秋(2022年10~12月期)※2 | 2,777円 |
冬(2023年1~3月期)※2 | 4,430円 |
春(2023年4~6月期)※2 | 3,304円 |
夏(2023年7~9月期)※2 | 2,140円 |
ガス代が平均より高い方は、ガスの種類による差があるのかもしれません。ガスには「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類があります。ガス代が平均より高いのはプロパンガスを使っている方かもしれません。
都市ガスとは、LNGと呼ばれる液化天然ガスと主成分がメタンで構成されている天然ガスが原料の大半を占めるガスです。
天然ガスは持ち運ぶ際に便利な性質を持っていて、天然ガスを-162℃まで冷やすと液体になったり、体積が1/600と小さくなったりします。一般的に道路下のガス管を通じて供給されます。
都市ガスにはメリットとデメリットがあります。今回はメリットを3つ、デメリットを2つ挙げてみました。確認していきましょう。
都市ガスの原料である液化天然ガスは、製造する際に硫黄などの不純物を取り除くため、クリーンなエネルギーとして考えられています。燃焼時に発生する二酸化炭素の量も少なく、酸性雨や大気汚染の原因と危惧されている窒素酸化物も少量しか排出しません。
一人暮らしの場合、都市ガスはプロパンガスに比べて1/2程度の値段で使用できます。詳しい計算方法は、あとで紹介しますので参考にしてみましょう。
都市ガスの主原料である天然ガスは空気よりも軽いです。そのため万が一ガス漏れしても拡散されやすく、その場にガスが溜まることは少ないです。
一般的に道路下のガス管を通じて都市ガスは供給されているとすでに説明しました。そのため地震などの災害時には、ガスの供給が止まる可能性があります。地震でガス供給が止まった場合はガス管の点検が必要です。そのため復旧するまでに時間がかかる場合があります。
一人暮らしで賃貸物件を利用する場合は関係ないかもしれませんが、都市ガスを利用するには道路下のガス管から自宅に供給管を引き入れる必要があります。供給管を伸ばすための工事費が10万円以上かかる場合があるのもデメリットとされています。
プロパンガスとは、LPGと呼ばれる液化石油ガスです。主な成分はプロパンやブタンです。
プロパンガスも都市ガスと同様、そのほとんどを海外からの輸入に頼っています。-42℃まで冷えると液体になり、気体のときに比べて体積が1/250程度まで小さくなる点は都市ガスと少し差異があるでしょう。一般的にプロパンガスの入ったボンベを事業者が配送して供給されます。
プロパンガスのメリットとデメリットもチェックしておきましょう。メリット3つとデメリット2つを挙げてみました。
都市ガスと比べてプロパンガスは発熱量が高いのが特徴です。プロパンガスの燃焼時の発熱量は都市ガスの約2.2倍といわれます。高火力が必要とされる中華料理店などでは、プロパンガスの方が好まれる場面が多そうです。
プロパンガスは供給方法が都市ガスとは異なります。事業者がボンベを個別に配送する個別供給型での供給が一般的です。万が一災害が起きても点検すべき点が少なく、都市ガスに比べて復旧が早いのが特長といわれます。
都市ガスは供給管を伸ばすための工事とその費用が必要です。プロパンガスは個別にガスボンベが配送されるため大きな工事が不要です。
一人暮らしで賃貸物件を利用する場合は関係ないかもしれませんが、初期費用が抑えられる点もプロパンガスのメリットとされています。
プロパンガスの方が都市ガスよりも高価な点をすでに紹介しました。東京都の場合、都市ガスに比べて平均価格が約2倍もプロパンガスは高いです。差異はありますが、他の地域でもおおむね東京都と同程度の価格差があります。
ガス代が未払いのまま退去されるのを防ぐために、プロパンガスの場合、アパートやマンションの入居者は保証金を求められる場合があります。
ガス会社にもよりますが、一般的には通常使用ガス料金の2~3ヵ月分を保証金として預けるように求められるでしょう。保証金は契約終了時に返ってくるため「預り証」の保管が重要です。
ガス代が高い場合には原因を分析しましょう。料金が高い会社と契約したのか、単なる使いすぎかを冷静に確認するのがおススメです。
まず計算方法を理解し、ガス代の高い・安いかを判断できるようになりましょう。
ガス代の計算方法は「基本料金+従量料金(単位料金×ガス使用量)」です。むずかしい言葉もあるので、用語を1つずつ解説していきます。
月ごとの使用量によってあらかじめ決められた一定額の料金
ガスは、まったく使わなかったとしても基本料金が発生します。具体例として東京ガスの場合を見てみましょう。1ヵ月の使用量が0〜20m3であれば759円、20〜80m3であれば1,056円/件となります(2023年12月東京地区等で計算)※3。
使用したガスの量に応じて増えていく料金
従量料金は1m3当たりの使用料である「単位料金」に、その月に使用したガスの総量を掛け合わせて算出します※4。
東京ガスの場合、ひと月に20m3使用すると1m3当たり145.31円かかるため「145.31円×20m3=2906.2円」となり、その月は従量料金が2,906円請求される仕組みです※3。
ガス代の節約には多くの方法が試せます。節約方法を9つまとめてみました。今日からでも実践してみましょう。
お湯を流しながら洗い物をすると多くのガスを消費します。洗い物は水に浸け置いてからまとめて洗いましょう。汚れが落ちやすくなり効率的に洗えます。
食器を洗うときのお湯の設定温度を少し下げてみましょう。40度から38度まで下げるだけで年間約1,430円もの節約につながります(冷房使用期間を除く253日間、水温20℃・65Lの水道水で2回/日ほど手洗いをした場合)。
給湯器は熱効率の高い機械です。水からではなく、給湯器から給水して火にかけて温めるようにするとガス代の節約につながります。
底や表面が濡れたままフライパンを使用していないでしょうか。水分を蒸発させるためにムダなエネルギーを消費するので止めましょう。
ガスコンロの火が出る穴を「バーナー」と呼びます。料理での油跳ねや吹きこぼれによりバーナーには汚れが詰まりやすいです。
同じガスの使用量でも、汚れが詰まった状態はきれいな状態より火力が弱くなってしまいます。こまめに掃除をしてガスバーナーをきれいな状態に保ちましょう。
ガスコンロを使用せずに他の器具を使う方法もあります。IH調理器具や電子レンジを活用すればガス代の節約につながるでしょう。
シャワーは、1分間に12Lものお湯を使います。4人家族が一人4分ずつシャワーを使うと浴槽1杯分とほぼ同じ量です。そのため人数が多い場合は浴槽にお湯を溜めた方がコスパはいいかもしれません。
一人暮らしであれば、浴槽にお湯を溜めずシャワーだけで済ませるのもよいでしょう。できる限りシャワー時間を短くするのも重要です。
料金はガス会社によってさまざまです。値段の高いところもあれば安いところもあります。
今回紹介した計算式を元に会社ごとのガス料金を比較して、安い会社に乗り換えると節約できる可能性があるでしょう。工事が不要ならば、プロパンガスから都市ガスに乗り換えるのもおススメです。
オール電化も有効な手段です。今まで電気とガス両方で支払っていた基本料金が電気の分だけになり節約につながります。
もちろん使用する電力量は増えるでしょう。料金の高い電気会社と契約をしていたら逆に光熱費の合計が上がる可能性があります。電力会社の選び直しも必要になるでしょう。
あわせて読みたい記事
ガス代以外にも一人暮らしでは節約可能な生活費があります。通信費もそのひとつです。通信費の相場や節約方法は下記記事でも詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。
そもそも一人暮らしにどれくらい費用がかかるのか?という疑問をお持ちの方は下記記事もご覧ください。
ガスの使用を控えて電気をメインにするなら、電力会社を「auでんき」へ切り替えるのもおススメです。
auでんきに切り替えるとPontaポイントが還元されておトクです。初期費用も切り替え費用も0円です。電力会社の送電網は変わらないので電気の品質も変わりません。変わる点は支払い先のみです。
マンション一括受電サービスを導入している集合住宅やオール電化住宅にお住まいの場合などは、auでんきを申し込むことはできません。また、季時別プラン・法人契約は申し込み対象外です。
また、auでんきとスマホ(対象プラン加入)のご利用で、月々のスマホ利用料金が割り引かれるサービス「自宅セット割」もご利用いただけます。
さらにUQモバイルでは、au ID※5を取得し、「auでんきポイントで割引」※6にお申し込みいただくと、いつも通り電気を使うだけでPontaポイントが還元されます※7※8。
8,000円未満なら0.5%、8,000円以上なら1%のポイントが還元されるのです。
くわえて30分単位で電気料金がわかる「auでんきアプリ」も節約の強い味方です。auでんきアプリには、下の3つのような役立つ機能が搭載されています。
電気料金が見やすくなれば節電のモチベーションも上がるでしょう。ガス代の節約を検討されている方は、auでんきによる節約やUQモバイルの利用もぜひご検討ください。