eSIMはSIMカードと異なり、スマホ本体に内蔵されたSIMで、オンラインで契約から開通までスムーズに行えるというメリットがあります。
しかし、eSIMを利用したことがない方や詳しいことはよく知らない方も多いかもしれません。
今回はeSIMの仕組みやSIMカードとの違い、メリットなどを解説します。eSIMへの変更をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
IT系を専門にiPhoneや格安SIMなど、モバイル系の著作も多数ある向井領治さんにポイントも伺ったので、ぜひ参考にしてください。
この記事を監修した方:
IT系ライター/エディター 向井領治
数社の勤務を経て1996年よりフリーランスに。単著共著あわせて63冊を執筆するとともに、編集を手がけた書籍も100冊以上。著書には、iPhoneやiPad、格安SIMなど、モバイル系も多数。
個人ではiPhone 16 PlusとPixel 8aを使用。複雑なテクノロジーをユーザーからの目線で解説するよう、つねに心がけています。
SIMとは、通信会社との契約情報などを書き込むICチップで、現在広く使われているのは、「eSIM」と「SIMカード」の2つです。
SIMカードは、加入者を識別するための情報がスマホとは別の小型のICカードに記録されているため、スマホで電話やモバイルデータ通信を行うには、通信会社が契約回線ごとに用意したSIMカードを挿入しなければなりません。
なお、ユーザーが手に取って扱うことができる点を強調して、「物理SIMカード」と呼ぶこともあります。
一方、eSIMはチップがはじめからスマホに内蔵されており、加入者を識別するための情報をネット経由で書き換えられます。
したがって、通信会社の店舗へ出向いたり、通信会社からSIMカードが送付されてきたりするのを待つ必要がなく、オンラインで手続きができるメリットがあります。
なお、最新のiPhone 17シリーズの日本国内モデルは、eSIMのみに対応しているため、物理SIMカードは使用できません。
iPhone 17シリーズは8つ以上のeSIMを端末に保存でき、そのうち最大2回線を同時に有効化(デュアルeSIM利用)できます。
iPhoneは国内でも高いシェアを占めており、最新モデルの仕様変更によって、eSIMは今後ますます普及する見込みです。
日本政府は、海外渡航者や来日観光客などの利便性を向上させるために、eSIMの利用を促進したいと考えています。
政府が掲げた「2030年には訪日客6,000万人を目指す」という目標の実現のために、eSIMの普及は重要な施策のひとつです。
また、eSIMの普及によって、利用者による通信会社の乗りかえの円滑化・活性化を実現したい考えもあるようです。
詳しくは後述しますが、eSIMには通信会社の乗りかえをしやすくするメリットが多く、業界の活性化に役立つと考えられています。
総務省は、eSIMの普及に向けた考え方や留意事項をまとめた「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」を2021年8月10日に策定・公開しました※1。
総務省の方針をうけて、auも2021年8月26日からeSIMに対応を開始しました。同じくKDDI傘下であるUQモバイルも、2021年9月2日から対応をしています。
eSIMは欧米を中心に55カ国以上の国で導入が進んでいます(総務省調べ、2021年2月26日時点)※2。
国内で総務省も推進しているeSIMには、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるでしょうか。はじめにeSIMの代表的なメリットを紹介します。
eSIMはスマホ本体に最初から組み込まれていて、後から内容を書き換えられるため、SIMカードのようにさし替える必要がありません。
たとえば、通信会社を乗りかえる時、SIMカードを使う場合は、契約後に発行される新しいSIMカードを入手してスマホに設定する必要がありますが、もしも郵送で送られてくる場合はすぐにさし替えができません。
eSIMならオンラインで通信に必要な情報の書き込みを自分で操作できるため、最短即日で利用を開始できます。また、こまかい部品を扱う必要がなく、交換する仕組みが不要になることでスマホが小型化できる点もメリットとして挙げられます。
eSIMはオンライン上で乗りかえなどの手続きができます。店舗で乗りかえを行った時に長時間待たされた経験はないでしょうか。
オンラインで手続きができれば、ショップへ出向く手間や待ち時間などを省略できます。
さらに、店舗は営業時間が限られている場合や、予約制の店舗では時間が合わない場合があるかもしれません。オンラインなら営業時間外でも都合のよい時間に手続きができるというメリットもあります。
なお、eSIMは機種変更や紛失時に再発行する必要がありますが、UQモバイルは、ネットで手続きすると事務手数料がかかりません。(店舗で依頼する場合は有料です。)
海外へ旅行する時は、プリペイド式のSIMカードを購入してSIMフリースマホにさして利用する方も多いでしょう。
そのため現地に到着してすぐに使おうという考えから、国内の空港やネット通販などで現地対応のSIMカードを先に買って準備する方もいます。
しかし、空港で取り扱っているカードの種類や在庫に限りがあったり、ネット通販では取り寄せに時間がかかったりするなど不都合なこともありました。
eSIMであれば物理的なカードが不要のため、在庫切れのおそれがなく、不慣れな場所で小さな電子部品を扱う必要もありません。
設定さえできれば、海外でのネット利用のハードルが下がるでしょう。
2つのSIMを利用して2つの電話番号(2つの回線)を使用する仕組みを「デュアルSIM」といいます。
デュアルSIM対応スマホのなかには、eSIMとSIMカードの両方を1回線ずつ、または、複数のeSIMを組み合わせて2回線を利用できる機種もあります。
先ほど海外の例を紹介しましたが、デュアルSIM対応スマホを持っていて、普段カードタイプのSIMを使っている方は、海外に行く際にeSIMを利用すれば、新たに海外用のSIMカードを購入せずに済みます。
また、国内利用のみであっても、スマホを仕事とプライベートで使い分けたいなど、2台持ちは避けたい方にもおススメです。
向井さん
eSIMはSIMにまつわる手続きがネットだけで済んでしまうので、時間のない方にはそれだけでも大きなメリットです。
また、SIMカードは小さな精密部品ですので紛失や破損が心配ですが、eSIMはスマホの操作だけで作業が完結します。
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メリットの多いeSIMですが、いくつかのデメリットもあります。主なデメリットは下記のとおりです。
カードタイプのSIMはカードをさし替えるだけで機種変更が完了する場合が多く、簡単に行えます。
一方でeSIMの場合は、eSIMの再発行や端末の設定を自分でする必要があります。オンラインでしか手続きができないケースもあり、多くの場合は自分で説明書を読んで必要なものをそろえるなど、自力で機種変更の手続きをしなければなりません。
店頭サポートを受けられる通信会社も存在しますが、オンラインでは手数料が無料であっても、店頭の手続きでは手数料がかかるケースあります。
eSIMは、自分のタイミングや都合に合わせて臨機応変に手続きできる自由度の高さがメリットですが、オンラインでの手続きが困難なユーザーには少しハードルが高いかもしれません。
ただし、iPhone同士の場合は「eSIM クイック転送」という機能を使って、旧機種から新機種へeSIM情報を手軽に移行できる場合もあります。
auは2021年8月26日からeSIMへの対応を開始し、現在では大手キャリアを中心にMVNOでもeSIMが提供されていますが、いくつかのMVNOはeSIMに対応していない状況です。
eSIMを利用する場合は、まず契約を考えている通信会社がeSIMに対応しているか確認する必要があります。
eSIMを利用するには、契約する通信会社だけでなく、使用するスマホもeSIMに対応している必要があります。2026年現在、発売中のiPhoneやAndroidの多くがeSIMに対応していますが、すべての機種がeSIMに対応しているわけではありません。
特に、中古端末を購入する際には注意が必要です。iPhoneの場合、2018年以降に発売開始されたモデルはすべてeSIMに対応しています。
eSIMを利用する時は、通信会社とともに機種ごとの対応状況をメーカーや通信会社のホームページなどで確認しましょう。
eSIM利用時には、プロファイルをダウンロードするためにQRコード®を活用する場合があります。なお、QRコード®を表示するためには、インターネット回線に接続された別の端末が必要です。
別の端末に表示させる以外に、紙に印刷してカメラで読み込む方法もありますが、この場合でも、eSIMを設定する新しい機種はWiFiなどでネットにつなげておかなければなりません。
もちろんパソコンやプリンターなどのデバイスも整っていないと難しいでしょう。各通信会社のホームページなどで登録手順をよく確認して検討しましょう。
向井さん
eSIMの手続きの中で最も難しいのは、別のネット接続や端末を用意することでしょう。
一人暮らしでネットに接続する方法がスマホしかないような場合は、家族や友人にテザリングさせてもらうなどの手段も考えましょう。
eSIMは、先述のとおり複数のメリットがあり、下記の方におススメです。
eSIMは、手続きがオンラインで完了します。ご自身に合った料金プランの通信会社を見つけた時に、SIMカードの送付を待つことなく、比較的短期間で乗りかえができる点は大きなメリットです。
また、eSIMを活用すると、「仕事用のSIMとプライベート用のSIM」「日本で利用するSIMと海外で利用するSIM」などを1台の端末に設定できます。2つの回線を使い分けたい時に、2台の端末を用意する必要がないところも利点です。
eSIMの利用を開始するまでの手順を、UQモバイルを例に「iPhone端末購入ありの場合」と「Android端末購入ありの場合」に分けて解説します。
iPhone端末を購入すると同時に、MNPまたは新規契約でUQモバイルを利用する場合のeSIM開通手順は下記です。
新規契約の場合は回線の切り替えは必要ありません。MNPおよび機種変更でUQモバイルを利用する場合は、Webサイトまたは電話による回線の切り替えが必要です。
次に、WiFiに接続してeSIMプロファイルをダウンロードします。
端末購入ありの場合は、iPhoneの初期設定手順内で自動プロファイルダウンロードが行われるので、画面の表示にしたがって操作しましょう。
「あとで決める」を選択すると、アクティベート完了後に手動でダウンロードする必要があるので注意しましょう。
iPhoneの初期設定で「あとで決める」を選択した場合などは、手動でeSIMプロファイルをダウンロードします。「設定」内の「モバイル通信」をタップし、「モバイル通信プランを追加」をタップしたあと、画面の表示に従ってダウンロードしましょう。
UQモバイル以外の通信会社と契約をしている場合は、下記の手順でeSIMの切り替えを行いましょう。
「設定」を開き、「モバイル通信」をタップする
「副回線」をタップする
モバイル通信が「UQ mobile」になっていることを確認し、「この回線をオンにする」をタップする
表示されたポップアップの「OK」をタップする
前の画面に戻り、「モバイル通信」をタップする
UQモバイルで利用する回線をタップする
ネットワーク選択が「KDDI」になっていることを確認する
なお、OSのバージョンによっては手順が異なる場合があります。
最後に発信テストを行います。発信テスト用番号(例:111/通話料無料)へ電話をかけましょう。通話が可能であれば、設定は完了です。
なお、UQモバイルのeSIMはiOS 13以上に対応しています。iOS 13以上でない端末の場合は、事前にiOSのアップデートを実施しましょう。
Android端末を購入すると同時に、MNPまたは新規契約でUQモバイルを利用する場合のeSIM開通手順は下記です。
なお、Androidは機種によって操作方法が異なる可能性があります。詳しくはメーカーの公式サイトで確認しましょう。
新規契約の場合は対応不要です。MNPおよび機種変更でUQモバイルを利用する場合は、Webサイトまたは電話で回線の切り替えを行いましょう。
まず、QRコード®が印字されている納品書を準備しましょう。
次に、UQモバイルを使用する端末をWiFiなどのネットワークに接続し、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」の順にタップします。
「モバイルネットワークへの接続」の箇所で「SIMカードをお持ちでない場合」をタップすると「SIMのダウンロード」が表示されるので、「次へ」をタップし、QRコード®を読み取りましょう。
その後、アクセスポイントを設定すると、eSIMプロファイルのダウンロードは完了です。
UQモバイル以外の通信会社と契約をしている場合は、下記の手順でeSIMの切り替えを行いましょう。
「設定」を開き、「ネットワークとインターネット」をタップする
「モバイルネットワーク」をタップする
対象回線が「無効」となっていた場合は「無効/ダウンロード型SIM」をタップする
ネットワークで「KDDI」が表示されているのを確認し、「OFF」をスワイプする
ポップアップが表示されるので、「KDDIに切り替え」をタップする
ネットワークで「KDDI」が表示されていることを確認する
なお、古いOSでは手順が異なる場合があります。
最後に発信テストを行います。発信テスト用番号(例:111/通話料無料)へ電話をかけましょう。
eSIMは通信業界の活性化や海外渡航者の利便性の向上に寄与する点で期待されています。オンラインでの手続きやデュアルSIMへの活用が可能なため、手続きをすぐに行いたい方や複数の回線を使い分けたい方におススメです。
しかし、オンラインでの手続きが前提のため、まだまだハードルが高いと感じる方もいるでしょう。メリットだけでなく、デメリットもしっかりチェックして契約や利用を検討するのをおススメします。
KDDIが提供するau・povo(auが提供するオンライン専用ブランド)・UQモバイルのいずれのブランドも一部の機種でeSIMの対応を開始しました。
eSIMの活用に興味がある方は、ぜひKDDIの各ブランドの利用をご検討ください。
UQモバイルでは、eSIM対応の端末も取り扱っていて、オンラインに限らず店舗でも対応が可能です。
eSIMを利用したいと考えている方は、おトクな料金プランとコストパフォーマンスに優れたラインナップが魅力のUQモバイルをぜひご検討ください。
向井さん
eSIMは手続きがオンラインのみであることが最大の特徴ですが、それがデメリットになる方もいれば、都合がよい方もいるでしょう。
機種変更や海外旅行を機会に、ライフスタイルに合わせた選択をしてください。
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