IPアドレスを上手に活用するとより安全な通信が可能になります。しかし「IPアドレスとは?」と、そもそもの役割などを理解していない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、UQ WiMAXでも利用可能なグローバルIPアドレスを中心に、IPアドレスの基本情報をまとめます。
家電量販店歴18年のトヨさんにポイントも伺ったので、ぜひ参考にしてください。
この記事を監修した方:
家電量販店歴18年 トヨ(堀行秀吉)
専門はパソコン購入で悩まれている方に対する販売訴求、それに付随するインターネット回線周りに関するトータルアドバイス。WiMAXを始めとしたモバイル回線や、auひかりなどの固定回線を含めた多数のインターネット回線の契約実績あり。
パソコン販売、月2000万円達成実績あり。2021年よりYouTubeチャンネル「トヨサポ」を運営。PCやインターネット回線に関する情報発信を行っており、同時にその他メディアでの記事監修なども手がけている。
IPアドレスとは、ネットワークに接続する時、スマホやパソコンなどの接続機器に割り当てられる識別番号です。ネット上の住所や電話番号のような存在ともいわれます。
「IP」は「Internet Protocol」の略に由来し、ネット上でのデータ通信方法を定めた規約を意味する言葉です。
IPアドレスは、「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」に分けられます。
グローバルIPアドレスは、ネットに接続する際に利用するIPアドレスです。世界中どこから通信をしてもデータの送受信などが間違わないように、重複なく割り当てられています。
プライベートIPアドレスは、社内・家庭内などの限られた特定のネットワーク「ローカルネットワーク(LAN:Local Area Network)」で使用するIPアドレスです。
ネットに接続する時は、ルーターやサーバーの「ネットワークアドレス変換(NAT:Network Address Translation)」の機能によってグローバルIPアドレスに変換する必要があります。
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスはそれぞれ、割り当て方の違いによってさらに2つに細分化できます。
動的IPアドレスは、ネットワークに接続するたびに割り当てられる方式です。ネットに接続する時は、接続した時点で使われていないグローバルIPアドレスが「インターネットサービスプロバイダ(ISP:Internet Service Provider)」から自動的に割り当てられる仕組みになっています。
一定時間が経過したり接続が切れたりすると番号が途中で変わる場合がありますが、特に使用に影響はなく特別な設定なども不要です。
固定IPアドレスは、ネットワーク接続の権限がある機器(パソコン)やユーザーだけが通信できるように、専用でIPアドレスを割り当てる方式です。
固定IPアドレスはセキュリティの高い通信を行うために利用されます。「固定」とつく通り、不変で、接続する時は毎回同じIPアドレスを使って通信が行われる仕組みです。
固定IPアドレスを利用するには、ISPのオプションプランを契約するのが一般的でしょう。ISPごとでサービス内容や料金体系などに違いがあるため、各社のホームページなどで確認することをおススメします。
トヨさん
ここらへんは難しい話にはなりますが、基本的にはルーターが自動でIPアドレスを振り分けてくれるので、日常的にネットを利用する分には特に意識しなくても困ることはありません。
「外部から社内のデータにアクセスしたい」「VPNを利用したい」などセキュリティの高い通信が必要な場合に、別途ISPから固定IPアドレスを取得する必要があります。
グローバルIPアドレスを確認するにはさまざまな方法があります。一例を下記で紹介しますが、接続する環境や機器によって違いがあるでしょう。
メーカーのホームページなども参考にしながら確認することをおススメします。
WiFiなどでネットに接続できている場合、ブラウザ上でグローバルIPアドレスを確認できます。「グローバルIPアドレス 確認」などと検索するとサイトがヒットするでしょう。サイトにアクセスすると、使用しているグローバルIPアドレスが表示されます。
また、Windows®のパソコンの場合は、Microsoft®のホームページ※1でも方法が紹介されています。
Windows® 11のパソコンをWiFi接続しているとしたら、「Start」→「設定」→「Network & internet」→「Wi-Fi」と進み、接続先のWiFiネットワークを選択したら、「プロパティ」の下で「IPv4 アドレス」の横に一覧で表示されるIPアドレスを探せるでしょう。
ほかにもグローバルIPアドレスを確認する方法があります。代表的な方法を3パターンほどチェックしましょう。
「コマンドプロンプト」を使用する方法があります。検索ボックスに「コマンドプロンプト」と入力し、アプリを起動させましょう。
起動後に「ipconfig /all」(ipconfigと/allの間にスペース)と入力してEnterを押します。その後、Pv4アドレスとして表示される文字列がIPアドレスです。
Macのパソコンを使う場合、有線か無線かで確認方法が異なります。
「システム環境設定」から「ネットワーク」を選択しましょう。左側に出た一覧のなかから、グローバルIPアドレスを確認したいネットワークを選択すると、右側の「状況」に「IPアドレス」とそれに続く文字列が表示されます。
キーボードの「option」を押しながら、メニューバーのWiFiマークをクリックしましょう。接続中のネットワークに「IPアドレス」と文字列が表示されます。
スマホは「設定」アプリからIPアドレスを確認できるでしょう。ただし、iPhoneかAndroidかのOSの違いによって確認の方法が異なります。
また、バージョンの違いによって表示が異なる場合もあるでしょう。詳しくはメーカーのホームページなどを確認することをおススメします。
「設定」アプリを起動したら「Wi-Fi」を開き現在接続中のWiFiネットワークを選択しましょう。画面を下にスクロールすると「IPアドレス」の表示とその横に文字列が表示されます。
「設定」アプリを起動し「接続」から「Wi-Fi」に進みましょう。接続中のWiFiを選択して開いた画面に「IPアドレス」の表示とその横に文字列が表示されます。
ただし、Androidは機種によって操作方法が異なる可能性があります。詳しくはメーカーの公式サイトで確認しましょう。
IPアドレスには種類があると説明しました。それぞれどのようなメリットやデメリットがあるのかをまとめてみましょう。
すでに紹介しましたが、固定IPアドレスの利用によってセキュリティが強化できます。社内ファイルサーバーや監視カメラの映像など、持ち出すのが難しい情報も社外から利用・閲覧が安全にできるでしょう。
「VPN(Virtual Private Network:バーチャル・プライベート・ネットワーク、仮想専用線)」と呼ばれる、第三者が入れない閉鎖的なネットワークを構築するためにも、固定IPアドレスは利用されます。
VPNを構築すれば、各地に点在する店舗の社内LANを統合してひとつのネットワークとして使えるようになります。
固定IPアドレスは、オプションサービスであるのが一般的と紹介しました。利用するために別で回線費用がかかることはデメリットかもしれません。
また、導入時に発生する設定作業や、機器が壊れた時に設定し直す必要があることもデメリットです。管理が不十分で漏洩などをすると不正アクセスにつながる恐れもあるでしょう。
動的IPアドレスのメリット・デメリットは、固定IPアドレスの逆と捉えてもいいかもしれません。固定IPアドレスでかかるオプション料などの特別な利用料金が不要で、常にIPが変わるため個人の特定がされにくいのが動的IPアドレスのメリットと考えられます。
固定IPアドレスによって管理されているネットワークには、動的IPアドレスではアクセスできない点はデメリットになるかもしれません。
また、接続のたびに動的IPアドレスは変わるからといって、個人の特定につながる可能性がゼロではない点に注意したほうがいいでしょう。ISPが管理している契約情報とIPアドレスを照合すると個人が特定できます。
ISPから契約情報が漏洩するのは考えにくいですが、トラブルになった時に正当な手続きを経ると情報開示を認められる場合があります。
割り当てられたグローバルIPアドレスはいくつかの方法で変更が可能です。グローバルIPアドレスを変更する方法としては下記が挙げられます。
WiFiルーターの電源を切り、数分間待ってから再起動するとグローバルIPアドレスが変更される場合があります。
電源を落として直後に再起動した場合は、元のIPアドレスで回復してしまう可能性もあるので注意してください。
接続しているWiFiネットワークを切断して、別のネットワークへ接続することで、グローバルIPアドレスが再取得されます。
また、スマホのWiFiをオフにして、モバイルデータ通信に切り替えた場合もグローバルIPアドレスが変わります。
VPN(Virtual Private Network)は、既存の回線のまま仮想的に専用回線をつくって接続することで、セキュリティを高める技術です。VPNは、より安全にネットを利用したい時や、海外サーバーのサービスを利用したい時などに利用されることがあります。
VPNに接続すると、端末のグローバルIPアドレスは接続先のVPNサーバーに割り当てられたIPアドレスとなります。
Tor(トーア)は、ネット上で発信元の秘匿性の高い通信ができる通信規格、またはその技術を利用したWebブラウザを指します。
通常、ネット上でWebサイトにアクセスするとサーバーにアクセス元のグローバルIPアドレスが記録されます。しかし、Torは通信経路に複数のコンピュータを中継し、アクセス経路の出口以外を暗号化することで、発信元を追跡できないようにします。
Torは、通常の検索エンジンでは閲覧できない「ダークウェブ」へアクセスでき、秘匿性が高いという側面から悪用されることもありますが、Torを利用してネットサーフィンをすること自体は違法ではありません。
Torの仕組みを利用したTorブラウザは、専用のアプリやソフトをインストールすることで利用可能です。
今回は専門的な話になりましたが、UQ WiMAXのルーターで手軽にネットを利用するのはいかがでしょうか。
UQ WiMAXのルーターなら工事不要で即日開通が可能です。5Gによる高速通信で快適なネット通信を楽しみましょう。
対象のエリアでは「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」なら上り最大速度286Mbps※2、下り最大4.2Gbps※2、「Speed Wi-Fi 5G X12」なら上り最大速度183Mbps※2、下り最大3.9Gbps※2の高速通信が可能です。機器が届いたその日から、自宅に快適なネット環境を導入できます。
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トヨさん
グローバルIPアドレスがないとオンラインゲームやサーバー機能の一部などが利用できない場合があります。
UQ WiMAXのグローバルIPアドレスオプションはプランによっては利用できない場合があるので、確認するようにしましょう。