光回線とは?
光回線とは、光透過率の高い石英ガラスやプラスチックなどの細い線で作られた、光ファイバーという光の伝送路を用いた通信回線を指します。
光ファイバーの1本1本は非常に細い線ですが、複数の光ファイバーを束ねた「光ファイバーケーブル」にすると、より大量の光(情報)を伝送することが可能になります。
光ファイバーは電磁波の影響を受けにくいため、従来の電話回線による通信に比べて通信速度が速く、長距離でも安定してデータ通信できることが特徴です。
光回線の仕組み
光回線によるネット接続は、通信会社が電柱や地下に敷設した光ファイバーを自宅などに引き込み、ONU(回線終端装置)と呼ばれるデータの変換装置を設置することで可能になります。
光回線による通信は、パソコンからLANケーブルを通して送られる電気信号をONUでいったん光信号に変換し、光ファイバーアンプ(増幅器)で信号の強度を保ちながら光ファイバーを通して送信する仕組みです。
接続先にデータが送信されると、光信号から電気信号に再度変換され、ネット接続が可能になります。
光回線とその他の回線との違い
ネットに接続するための通信方法には、光回線のほかにもさまざまな種類があります。それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
モバイルルーター
モバイルルーターは、モバイルWiFiルーターともいわれる小型の通信機器のことで、WiFi経由でスマホやタブレットなどの端末をインターネットに接続するための機器です。
コンパクトなサイズのものが多いため持ち運びしやすく、室内だけでなく屋外でもネット接続を楽しめます。回線工事や配線などを行う必要もなく、通信会社と契約するだけですぐに利用できることがメリットです。
ISDN
ISDNとは、電話回線を使ったデジタル回線を指します。1988年に、それまでのアナログ回線によるネット接続に代わって登場した通信技術です。
ダイヤルアップルーターまたはターミナルアダプターなどを設置すると、1本の電話回線で電話もネット接続も利用できます。アナログ回線に比べ、高速で安定したデータ通信を行えることが特徴です。
ただし、ISDNは2024年1月で企業間での音声通信などに関する一部サービスが廃止されるため、光回線への乗り換えが必要です。
ADSL
ADSLもISDNと同様に電話回線を使ったデジタル回線で、音声通信に使われていない高周波数帯を使った高速データ通信を指します。
ADSLは、データをパソコンからネットに送る「上り」より、ネットからパソコンに送る「下り」の通信速度のほうが速いことが特徴です。ADSLは自宅の回線工事を行わずとも利用できますが、ADSLモデムやスプリッタなどの装置を設置することが必要になります。
なお、ADSLも2023年1月から順次サービスが終了していき、2024年3月末には完全にサービスが終わってしまうので、早めに光回線への乗り換えを行うようにしましょう。
CATV
CATVは、各地域のケーブルテレビが提供しているネットサービスで、テレビ放送で使用する同軸ケーブルと光ファイバーを組み合わせてネット接続することが特徴です。
光回線と同様に、光ファイバーを使用した通信です。ただし、光ファイバーを使っている部分はテレビ局から各家庭近辺に設置された変換器までで、変換器から屋内への接続には同軸ケーブルを使用しています。
光回線の種類
光回線には大きく分けて4種類あります。それぞれの回線の特徴を解説します。
フレッツ光
フレッツ光はNTTが提供している光回線です。提供エリアは全国47都道府県と国内最大級の規模のため、全国どこの地域でも利用できる強みを持ちます。
ただし、フレッツ光は光回線を提供する回線事業者であるため、別途プロバイダーと契約しなければネットに接続することはできません。そのため、同じフレッツ光を利用していても、契約するプロバイダーによって毎月の利用料金や通信速度は異なります。
光コラボレーション
光コラボレーションは、NTT以外の通信サービス会社がNTTの光回線を利用してネット接続を提供しているサービスで、「光コラボ」ともいわれています。回線そのものはNTTが提供するものを使用しているため、提供地域も全国47都道府県となり、フレッツ光と同様です。
しかしフレッツ光と異なる点として、光コラボレーションの場合はプロバイダーの役割も含んでいるため、自身でプロバイダーを探さなくても済むというメリットがあります。
ダークファイバー系
ダークファイバーとは、NTTが全国に施設した光ファイバーのうち、光信号が通っていない未使用の線を指します。光信号が通らないために線が暗いことが、「ダークファイバー」と呼ばれている理由です。
現在、ダークファイバー系の光回線はauひかりとNURO光の2社だけとなっているため、フレッツ光や光コラボと比べて回線が混雑しにくく、比較的速度も安定しやすい傾向にあります。
電力会社系
電力会社系の光回線とは、中部電力・関西電力・四国電力・九州電力といった西日本の電力会社が所有している回線を使ったサービスです。
サービスを提供している事業者は各電力会社が運営している企業で、提供エリアも電力提供を行っている地域に限られます。地域限定で提供するため利用者が少なく、通信が安定していて速度が速いと言われていることが大きな特徴です。