iPhoneのSIMカードをさし替える時にはさまざまな注意点があります。さし替える方法自体は簡単ですが、注意を怠るとSIMカードや端末が故障・破損する可能性もあるため、十分注意しましょう。
この記事では、iPhoneのSIMカードをさし替えるタイミングや知っておくポイント、さし替える手順や注意点をまとめて紹介します。
家電コンサルタントの大岩俊之さんにポイントも伺ったので、ぜひ参考にしてください。
この記事を監修した方:
家電コンサルタント 大岩俊之
理系出身の元営業マン。電子部品メーカー・半導体商社・パソコンメーカーなどで、自動車部品メーカーや家電メーカー向けの法人営業を経験。
その後、セミナー講師として活動する傍ら、家電製品の裏事情を知る家電コンサルタントとして活動。TBSラヴィットや東海地区のテレビ番組に多数出演。
現在は、家電記事の監修や家電製品アドバイザー資格試験の講師として活躍。家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)資格を保有。
SIMカード※1とは契約者情報や電話番号が記録されたICカードで、ネット通信や音声通話を可能にするために使用されます。
WiFi環境がない場所でも、対応サービスエリア内であれば、スマホやタブレットにSIMカードをさし込むことで通信が可能になります。
SIMカードのさし替えが発生するタイミングは、機種変更や通信会社の乗り換え時などが挙げられるでしょう。
通信会社の実店舗や家電量販店などで機種変更や乗り換えを行う場合、SIMカードの入れ替えはスタッフに依頼することができます。
しかし近年、ネットや電話からの申し込みで、自宅に届いたSIMカードをご自身でさし替えるケースも増えてきました。
SIMカードをご自身でさし替える際は、方法や注意点をしっかりと認識した上で行うようにしましょう。
iPhoneのSIMカードのさし替えを行う時に、知っておくと良いポイントを紹介します。ひとつずつ確認していきましょう。
SIMカードには種類があります。
国内で普及しているのは、「標準SIM」(25×15mm)・「Micro SIM」(15×12mm)・「Nano SIM」(12.3×8.8mm)の3種類です。
他には端末にもともとチップが埋め込まれている「eSIM※2」や、端末の対応サイズに合わせてご自身でカットして使う「マルチSIM※3」を利用する方法もあります。
カードタイプのSIMを使用する場合、端末に対応していないサイズのSIMカードを無理やりさそうとすると、故障や破損につながる可能性があるため注意が必要です。
あらかじめ、使用する予定の端末に対応しているSIMの種類とサイズを確認しておくと良いでしょう。
SIMカードには通信や通話に必要な加入者を識別するための情報が記録されていますが、それらとは別に写真・動画・電話帳などのデータは端末内(もしくはSDカードやクラウドサービス)に保存されています。
SIMカードのさし替えにより、留守番電話のメッセージが聞けなくなる可能性が指摘されています※4が、写真などの端末内に保存されているデータが消える心配は基本的に少ないといわれています。
機種変更で端末が変わる場合はデータ移行が発生しますが、SIMカードのさし替えによって通信会社を乗り換える場合のデータ移行は一般的に不要であることを知っておきましょう。
SIMロックがかかっている端末の場合、SIMカードをさし替えるだけでは通信ができない可能性があります。
使用予定の端末にSIMロックがかかっている場合は、事前に通信会社に相談して解除しておくと良いでしょう※5。
SIMカードをさし替えたのち、「APN」(Access Point Name:アクセスポイント名)を設定しなければならない場合があります※6。
その際は、WiFi通信を利用して設定を行うことが一般的です。自宅にWiFi環境が整っていない場合は、公衆WiFiなどが利用できる場所を確認しておくと良いでしょう。
大岩さん
まず、SIMロックを解除する必要があるかどうか確認します。
次に、使用する端末のSIMカードサイズを確認します。準備が出来たら、SIMカードをさし替えましょう。
強引に作業すると、SIMカードや端末が壊れることがありますので、注意しましょう。
iPhoneのSIMカードをさし替える主な手順は下記のとおりです。作業の流れを確認した上で、作業を進めていきましょう。
iPhoneの電源をオフにする
SIMカードトレイの穴にピンをさし込む
トレイから古いSIMカードを取り出す
新しいSIMカードをトレイに装着する
iPhoneの電源をオンにする
完了
なお、iPhoneのSIMトレイの位置は機種により違いがあります。
一般的にiPhone 12以降のシリーズでは本体の左側面に、それ以前のシリーズでは本体の右側面にSIMトレイがありますが、モデルにより異なる場合もあります。
SIMトレイの位置がわからない時は、Apple公式サイト※7などを確認しましょう。
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続いて、iPhoneのSIMカードをさし替える際に注意したいポイントを紹介します。事前にポイントを押さえた上で、作業を進めましょう。
すでに紹介したとおり、SIMカードのサイズには3つの種類があります。事前に確認して大丈夫だと思っている方も、念のため再確認してからさし替えるのがおススメです。
特にご自身でカットして使うマルチSIMの場合は、誤って小さくカットしすぎると使えなくなってしまいます。再度しっかりとサイズの確認をしてからさし替えましょう。
なお、iPhoneの現行機種はほとんどがNano-SIM カードです。ただし、一部異なる機種もあるので、注意しましょう※8。
Nano-SIM カード | iPhone 15シリーズ | iPhone 15、iPhone 15 Plus、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max(米国以外で購入したモデル) |
iPhone 14シリーズ | iPhone 14、iPhone 14 Plus、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Max(米国以外で購入したモデル) | |
iPhone 13シリーズ | iPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone 13 Pro、iPhone 13 Pro Max | |
iPhone 12シリーズ | iPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max | |
iPhone 11シリーズ | iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max | |
iPhone Xシリーズ | iPhone X、iPhone XR、iPhone XS、iPhone XS Max | |
iPhone 5~iPhone 8シリーズ | iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone 7、iPhone 7 Plus、iPhone 6s、iPhone 6s Plus | |
iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 5s、iPhone 5c、iPhone 5 | ||
iPhone SE | iPhone SE(第3世代)、iPhone SE(第2世代)、iPhone SE(第1世代) | |
Micro-SIM カード | iPhone 4シリーズ | iPhone 4s、iPhone 4 |
SIM カード | iPhone 3以前のシリーズ | iPhone 3GS、iPhone 3G、iPhone |
さし替えの際は、SIMカードのIC部分には極力触らないようにしましょう。SIMカードのような精密機器は繊細です。
ホコリや指紋などがつくと、動作不良につながる可能性があります。もし触ってしまった場合は、柔らかい布などで軽く拭くようにしましょう。
空気が乾燥する冬場などは、静電気にも要注意です。静電気によってSIMカードが故障すると、再発行が必要になります。
コンクリートや木などは静電気を逃がす性質があるため、さし替えの際は壁や床などに触ってから作業を行うと良いかもしれません。
力任せにさし込んでしまうと、スマホからSIMカードが取り出せなくなり、故障につながる恐れがあります。
サイズの違いはもちろん、SIMカードはさし込む向きも決まっているため、SIMトレイにピッタリ収まる向きになっているかも確認しましょう。
大岩さん
SIMカードのさし替え時は、細心の注意を払いましょう。雑に扱うと、動作不良になる可能性があります。
もし、SIMカードのIC部分に直接触れてしまった場合は、柔らかい布でふき取るのがベスト。ティッシュペーパーは、繊維が硬いためNGです。
SIMカードを入れ替える時の注意点を紹介しました。この記事で紹介した事前および作業中の注意点に配慮し、OSや機種ごとの違いも踏まえながら、SIMカードの入れ替えを行いましょう。
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