ネットに接続する際は、インターネット回線を契約する必要があります。固定のインターネット回線には大きく分けてADSLと光回線があり、どちらが良いか迷ってしまう方もいるでしょう。
ADSLはサービス終了が予定されているため、ADSLから光回線への乗りかえも気になるところです。
本記事では、ADSLの通信速度や安定性、通信費などを光回線と比較しながら解説します。家電量販店歴18年のトヨさんにポイントも伺ったので、参考にしてください。
この記事を監修した方:
家電量販店歴18年 トヨ(堀行秀吉)
専門はパソコン購入で悩まれている方に対する販売訴求、それに付随するインターネット回線周りに関するトータルアドバイス。WiMAXを始めとしたモバイル回線や、auひかりなどの固定回線を含めた多数のインターネット回線の契約実績あり。
パソコン販売、月2000万円達成実績あり。2021年よりYouTubeチャンネル「トヨサポ」を運営。PCやインターネット回線に関する情報発信を行っており、同時にその他メディアでの記事監修なども手がけている。
ADSLとは、「Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称デジタル加入者線)」※1の略で、敷設された電話回線を流用して通信ができるインターネット回線です。
日本では2000年代前半に普及が始まりましたが、現在はモバイル回線のホームルーターやモバイルWiFiルーター、光回線の登場により利用者が減少しています。
通信に必要な設備の保守管理を維持していくことが難しい状況になり、モデムなどの接続機器の製造も終了していることから、サービス事業者では新規加入の停止や、サービス終了が発表されています。
ADSLモデムは、ADSL回線でネットを利用する時に欠かせない機器です。1999年にADSLの商用化が開始されると、「ADSLモデム」が使われるようになりました。
ADSLモデムは、電話回線で送受信される信号を、パソコンなどの機器で利用できるデジタル信号へと変換する機器です。ダイヤルアップ不要で、常にデータ通信が行える通信環境を提供します。
モデムとルーターはいずれもネットに接続する時に利用する機器ですが、役割に違いがあります。
モデムは、前述のように電話回線などの信号をデジタル信号に変換する機器です。一方、ルーターは、インターネット回線に複数の端末を接続する役割を担います。
たとえば、ADSL回線にADSLモデムのみを接続している場合、1つの端末しかネットと接続できません。ルーターを接続すると、LAN同士や別のネットワーク間でもデータをやり取りできるようになり、複数の端末でのネットとの接続が可能になります。
トヨさん
従来のダイヤルアップ接続から大幅に速度が向上したADSLサービスは、一般層にインターネットが広まるきっかけとなりました。駅前でモデム無料配布をするサービスがあったことも印象的でした。
固定回線であるADSL回線と光回線、CATVには、どういった違いがあるのでしょうか。ここでは、回線の種類、通信速度、安定性、通信費などから、3つの回線を比べてみます。
ADSL回線は、一般の電話回線を利用して通信を行います。メタルケーブルを使用し、電気信号によってデータをやりとりするため、NTT基地局からの距離に応じて、通信速度が変わってしまうデメリットがあります。
対して光回線は、「光ファイバー」と呼ばれる伝送路(光回線)を利用して、データを送受信します。光信号のため、電気信号に比べて通信速度は格段に速く、安定している点が特徴です。
CATVのインターネット回線は、途中まではケーブルテレビの同軸ケーブルを利用して途中からは光ファイバーを利用するHFC方式と、光ファイバーで直接つなぐFTTH方式の2つが主流となっています。
特にHFC方式は、ケーブルテレビの同軸ケーブルを含むため、光回線に比べると通信速度は劣る傾向です。
ADSL回線の通信速度は、上り最大~5Mbps、下り最大~50Mbpsです。光回線の通信速度は、上り最大~10Gbps、下り最大~10Gbpsです。
Webサイトの閲覧や動画視聴に必要な下り最大速度で比べると、ADSL回線の50Mbpsに対して、光回線は10Gbps(10,000Mbps)となり、約200倍の速さになります。
CATVの通信速度は、上り最大~100Mbps、下り最大~1Gbpsなどで、各サービスで利用できる通信速度は大きく異なります。CATVの主要サービスの速度は下り320Mbps、上り10Mbps程度です。
ADSL回線はメタルケーブルを使用しているため、電磁波などノイズや、外部からの干渉を受けやすく、通信が不安定です。
一方、光回線で使用されている光ファイバーは、電磁波などノイズの影響を受けにくく、通信が非常に安定しています。大容量のデータのやり取りや、動画の視聴なども、ストレスなく行うことができます。
CATVは、特に同軸ケーブルを含む方式の場合、光ファイバーのみで通信をする光回線に比べると、通信の安定性は劣ります。
料金プランによっても異なりますが、一般的にADSL回線は光回線よりも、通信費が安いといわれています。
一例として、NTT東日本の「フレッツ・ADSL(2025年1月31日(金)をもってサービス終了)」と「フレッツ光」の月額利用料を比べてみます。
「フレッツ・ADSL」は、電話共用型で1,760円~3,080円、ADSL専用型で3,245円~5,555円でした。
「フレッツ光」は、戸建て向けは5,940円~、集合住宅向けは3,355円~のプランが用意されています。
CATVの料金はサービスごとにさまざまですが、ケーブルテレビを視聴する予定があり、セットで契約する場合はおトクに利用できます。
ケーブルテレビを利用する予定がある方や、すでに利用している方は、光回線などを別で契約する代わりにCATVのインターネット回線を選ぶと、出費が抑えられる可能性があります。
ADSLと光回線、CATVはすベて有線による回線ですが、初期費用や訪問工事の有無など異なる部分があります。ADSLと光回線の仕組みを解説します。
ADSLは多くの家庭に備えられている電話回線を利用するため、特殊な訪問工事などの必要がなく、初期費用を安く抑えられます。
回線事業者(図:契約①)からADSLモデム、スプリッタが提供されるため、モジュラージャックにスプリッタをつなぎ、電話機とADSLモデムを接続し、お手元のパソコンとモデムを接続すればネットへ接続できます。
ただし、ネットの接続時には別途プロバイダとの契約(図:契約②)が必要です。
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プロバイダの意味や事業者選びのポイントは下記記事で詳しく解説しています。
光回線を利用する際は、まずは最寄りの電柱から、光回線(光ファイバーケーブル)を屋内に引き込む必要があるため、戸建て住宅では工事を要する場合が少なくありません。
一方、マンションなど集合住宅では、すでに工事が済んでいるところもあります。
屋内では、部屋の壁などに光コンセントを設置します。光コンセントは、光回線と回線事業者から提供される通信機器を接続するためのものです。
通信機器には、ONU(光回線終端装置)や、HGW(ホームゲートウェイ)などがあります。
光回線を使用するための工事は上記のみで、プロバイダとの契約が別途完了すれば、ネットに接続ができます。
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光回線のより詳しい特徴やメリット・デメリットを下記記事で詳しく解説しています。
CATVは、各地域のケーブルテレビが提供しているネットサービスです。テレビ放送で使用する同軸ケーブルと光ファイバーを組み合わせてネットに接続します。
電波が届きづらい地域や、光回線が届かない場所でも、ケーブルテレビのネットであれば利用できる場合があります。
光回線と同様に、光ファイバーを利用した通信ですが、HFC方式と呼ばれる方式の場合、光ファイバーを使っている部分はテレビ局から各家庭近辺に設置された変換器までで、変換器から屋内への接続には同軸ケーブルを使用します。
同軸ケーブルの通信を含むため、光回線に比べると通信速度は劣る傾向です。
2024年総務省資料「ケーブルテレビの現状」※2によると、超高速ブロードバンドサービスは、同軸ケーブルと光ファイバーを利用するHFC方式が43.9%、光ファイバーのみを利用するFTTH方式が56.1%です。
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インターネット回線の種類や選び方は、下記記事でも解説しています。
現在使用している回線が、ADSLなのか光回線なのか、あるいはCATVなのかわからない方もいるでしょう。
見分け方としては、回線への接続方法を見てみるか、契約書類で確認します。
自宅でネット接続ができている場合、必ず通信機器があるはずです。
お使いのパソコンとモジュラージャックの間に「ADSL」と書かれたモデムがあれば、ADSL回線を使用しています。
モジュラージャックとは、電話機やLANなどの接続に用いるコネクタで、通常は壁に埋め込まれ、モジュラープラグという端子専用のコネクタをさして使用します。
ADSL回線では、モデムとモジュラージャックのほかに、スプリッタと呼ばれるマッチ箱より少し大きめの機器を使用しています。スプリッタは、電話用の音声信号と通信用のデジタル信号を分けるための分配器です。
次に、光回線の場合です。光回線では、光ファイバーを自宅内の光コンセントに引き込み、通信機器につなげると、ネットなどが使用できます。
光信号をデジタル信号に変換する必要があるため、ONU(光回線終端装置)や、HGW(ホームゲートウェイ)などの通信機器を使用します。
自宅にある機器がADSLのモデムなのか、光回線のONUやHGWなのかを、確認してみましょう。
CATVの場合、HFC方式であれば、外壁に設置された保安器から同軸ケーブルを室内に引き込み、モデムへ配線します。FTTH方式では、外壁に設置されたV-ONU(映像用回線終端装置)から光ファイバーケーブルを室内に引き込み、ONUへ配線します。
CATV特有の配線の状況から、CATVのネットを利用していると判断できます。
もうひとつの方法は、回線を契約した際の契約書類の確認です。
契約書には、回線の業者名とサービス名が記載されています。通信の種類がADSLの場合は「ADSL」、光回線を使用している場合は「FTTHサービス」と記載されています。
また、CATVの場合は、「CATV」や「ケーブルテレビ」などと記載されています。
通信機器は常時電源を入れていることもあり、不具合が生じやすいです。機器に正しく電源が入っているか確認してみましょう。
接続機器、WiFiルーター、モデムなどの機器を一度再起動すると接続が回復するケースがあります。
電子レンジの使用で発生する電磁波はWiFiなどの無線電波に干渉する場合があります。
他電波との干渉の場合、モデムの設置場所を変更してみましょう。
そもそも通信会社側で発生している通信障害の可能性もあります。この場合は復旧を待つしかありません。
通信会社では障害が発生した場合、情報公開しています。お手元の機器に不具合がみあたらない時は問い合わせましょう。
トヨさん
ADSLを利用されている方は長期期間使っていることもあり、モデムなどの機器自体に劣化が見られる場合があります。
機器に原因がある場合はプロバイダに相談するしかありませんが、この機会にほかの回線への乗りかえを検討すると良いでしょう。
ADSLは新規受付の停止やサービス自体の廃止が進んでいるので、無理に使い続けるよりも他回線への切り替えをおススメします。
UQ WiMAXなら、工事不要で製品(端末)が届けば、すぐにいつでもネットが利用可能です。工事不要のため、例えば引越しによるお住まいの変更でも、いつでもネットライフを楽しめます。
UQ WiMAXのメリットは、何といっても工事がいらない点です。固定回線の場合、一部のマンションなどを除いて、回線を引くための工事が必要です。
しかし、なかには賃貸物件のため工事ができない、仕事が忙しくて立ち会う時間がない方もいます。
UQ WiMAXなら、工事にかかる費用が不要な分、導入費用も抑えられます。
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工事不要のWi-Fiルーターや利用開始手順は、下記の記事でも詳しく解説しています。
機器が手元に届いたらすぐに使える点も、UQ WiMAXの魅力のひとつです。
固定回線の開通には、工事の日数も含めてある程度の時間がかかります。特に、引越しシーズンなどの繁忙期は、想定以上の時間がかかってしまうケースも少なくありません。
UQ WiMAXなら、店頭お渡しで即日開通できます。オンラインショップからのお申し込みは24時間受け付けており、最短2~3日でお手元に届きます。
最近はパソコンも軽量化しているため、学校や出張先など、外に持ち出す機会も多くあります。
日本全国幅広くつながるUQ WiMAXは、家のなかの持ち運びはもちろん、外出先でも使えます。
公衆のフリーWi-Fiを使えるところもありますが、セキュリティ面での不安はぬぐえません。
UQ WiMAXなら、接続する機器を限定できるため、セキュリティ面も万全です。
UQ WiMAXのモバイルWiFiルーターは、電源を入れるだけですぐに使えます。据え置きタイプのホームルーターでも、コンセントにさすだけで完了です。
LANケーブルのような配線が必要ないため、お部屋もスッキリします。
無線接続でも有線接続に劣らず、幅広く使えます。
例えば、UQ WiMAXのホームルーターまたはモバイルWiFiルーター1台でパソコンやスマホなどの同時接続が可能です。
いずれも接続台数に上限はありますが、モバイルWiFiルーターよりもパワーのあるホームルーターであれば、家族でたくさんの機器を接続しても快適なネットライフを送れます。
固定回線では、プロバイダの契約が必要です。
しかし、プロバイダの選択や契約、設定など一連の作業を面倒に感じる方もいます。
UQ WiMAXなら、プロバイダ契約は不要です。店舗もしくはオンラインショップでWiFiルーターを選び、料金プランをご確認のうえ、お申し込みいただきます。
WiFiルーターが届いたら、簡単な初期設定をするだけで、すぐに利用可能です。
UQ WiMAXでは対象エリアで5G高速通信が可能です。
動画視聴やオンラインゲーム、テレワークのWeb会議などもサクサク快適に通信ができます。
自宅のインターネット回線の通信速度が遅くて悩んでいる方は、UQ WiMAXに乗りかえることで改善される可能性があります。
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5G対応のWiFiについては、下記の記事でも詳しく解説しています。
UQ WiMAXでは、WiMAX +5Gルーターと、UQモバイルが提供する「トクトクプラン2」に加入したスマホをセットで契約すると、「自宅セット割」の適用が可能でスマホのご利用料金が最大1,100円/月割引されます。(「コミコミプランバリュー」は対象外です。)
auスマホとネットサービスのセットの場合、対象の料金プランに加入していれば、「auスマートバリュー」を適用してスマホのご利用料金が最大1,100円/月おトクになります。
UQ WiMAXでは、5G高速通信対応のホームルーターとモバイルルーターのサービスを提供しています。
対象のエリアでは「Speed Wi-Fi DOCK 5G 01」なら下り最大3.5Gbps※3、上り最大286Mbps※3、「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」なら下り最大4.2Gbps※3、上り最大286Mbps※3の高速通信が可能です。機器が届いたその日から、自宅に快適なネット環境を導入できます。
ホームルーターの、「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」は、Wi-Fi 6※44ストリーム対応で、大容量のデータ転送時も高速で安定した通信が可能です。
端末へ集中的に電波を送信できる「ビームフォーミング」や、自動で最適な周波数を選択してくれる「バンドステアリング」※5にも対応します。WiFiへの接続の際は、WPSでの接続やQRコード※6での簡単接続も利用できます。
Speed Wi-Fi HOME 5G L13
最新モバイルルーター「Speed Wi-Fi DOCK 5G 01」のバッテリーは5,400mAhと大容量で、外出先でもバッテリーが長持ちです。また、同梱しているドックに本体を置くだけで、自宅でより安定してインターネットに接続することができます。
Speed Wi-Fi DOCK 5G 01
トヨさん
光回線では、回線速度が最大10Gbpsのサービスも増えてきていますが、そこまでの通信環境が必要な方の割合は現状そこまで多くないと考えています。
それよりも工事などの面倒事がなかったり、設定が簡単だったり、だれもが安心して気軽に乗りかえできるかが大事だと思います。
当然、通信がしっかり使えることが大前提です。そうした時に選択肢に入るのがUQ WiMAXです。光回線までは要らないと思われる方におススメできるサービスだと思います。
一点、注意点をあげるとすると利用場所の電波状況です。エリアをしっかり確認して、心配であれば「Try WiMAX」などを試してから判断されても良いかと思います。